何時の間に迫る雷雲ごろごろと
  嵐の予感大気に満てり
    にやり笑った退屈の騎士



にょっきりと不意に顔出す信天翁の芽
  育てた真珠は媚肉に(くる )んで



橋桁で交尾する鳥騒がしく
  腐った水面に魚が跳ねる



ぶつぶつと剪定された柳の根
  捻くれた瘤露に寝そべる



灰色の重くて固い雲が来る
  ぎりぎりの頭痛締め上げる天空



晴れた地に乾いたる血が滲み通る
  陰鬱な顔で喘ぐ復讐



液化した倦怠の日を刳り貫いて
  頭痛に呪詛を吐ける詮無し



寝る前にちょっと電気を消してみる
  闇が見えない
  闇が見えない



さやさやと不穏の気配感じ取る
  我に構うな滅びも勝手だ



のっぺりと青い大空じんじんと
  頭痛抱えて見上げたり
    今日も病果の如き退屈



inserted by FC2 system