風に舞う亡き思い出をアルバムに
  閉じ込めて今葬送の曲



バラバラに組み合わされた可能性
  余りのムダに言葉も無くて



美しと思い付き合ってみたけれど
  馬脚現す無残な現実



ツンときて鼻孔を刺した醒めた風邪
  今宵寝床で夢渦巻くや



病んだよな斑の空の下に立つ
  手に持ったのは私の卵



生卵穴を破りて啜りたる
  笑う口元真っ赤に濡れて



巣のやうなボサボサ頭掻き毟る
  線路に向けて飛び込んだ月夜



つらつらと虚構の糧を考へる
  腹は膨れど空腹は悪化



にじり寄る頽廃の足掴まえて
  色に酔う也崩れた魂



出奔を誰に言い訳するとなく
  夜毎呟く異世界の雀



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