げんなりと萎れる花の芯を摘む
  残した蜜に蟻が群がる



奪い取る枯れた清水に花が咲く
  固い太腿ざくりと開ける



霊界を吹くかの様な冷風が
  耳元でそっと囁く我に
    「明日もまた同じですよ」



冷えた熱(2字判読不能)したる我をまた
  襲へり何故に宙に浮かべる



分銅のやうにどてっと引き摺るか
  重さが沈澱したる両足



凝っとして波が退くのをひたすらに
  待つ身の辛さ深夜動けず



悍ましいことも判らぬ程に我
  枯れ果てたるや病み上がりの空



上空に悲鳴湛えて浮かぶ雲
  下がって来たのは幻魔の報せか



一匹の猫に足元掬われて
  階段落ちる夜の欠落



密林の中で窒息する感じ
  覚えていたり夏の遠雷



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