鈍感な苦悩(こうべ )に掲げつつ
  進軍するか輝く無念は



ぴったりと嵌る下顎は誰のもの
  頭蓋の山を前にうんざり



何時までも引き延ばされた処刑前
  貴方の手の甲にそっと触れたい



うっすらと膜の掛かった朝の不安
  神々の出を待つ間の愚鈍



急流に吸い込まれたる発熱に
  緊張も無く尊厳も無く



上からも下からも皆晒されて
  あはれ裸の現実の苦悩



風紋が鬱陶しくて引き蘢る
  昨日の晩は何を食べたろう



彼方より飛来したるや鬼の哭
  深夜にたゆたう夢幻の雰囲気



病んだ目を彷徨はせても答え無し
  俯く嘘に萎縮し果てて



渦を巻く飢えと渇きに身を焦がし
  遅い明日は我にも来るか



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