冷気もて身内の熱を焙り出す
  倦んだ身体 (からだ )が火照る気懈く



ひっそりと怠けデモンの腹探る
  ゴミ漁りする乞食の気分



じんじんと痺れる足の爪先から
  熟れた脳味噌引っ掛けて出す
    蛾を糧とする蝙蝠がぱくり



うやむやになった果実の(へた )をもぐ*
  溢れ出るのは蛭子の大軍



無情にも落ちた雫を掬い取る
  ことも叶はず寝そべって待つ



かまくらに圧し潰されて死んだ子の
  ぼんぼり灯す ぽん ぽん ぽん



うとうとと世界の声を聞きたくて
  優しき処刑実行する晩



しずしずと進む花嫁かなしくて
  花婿の牙淋漓と笑う
    衣に血飛沫掛からぬだろうか



ぐったりと疲れた身体 (からだ )前倒し
  セルフカウンセリングで戯れる鬱



沢渡る蟹の両足もいだろか**
  じっくりと殺す不感症な我






*/**「才宛(右側がちょっと違います」は川流のパソコンでは上手く変換出来ませんでした。スミマセン………。


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