後ろ髪引かれる思いで睡眠薬 飲んで寝床に横たわるお盆 |
ぽっかりと背後に開く空洞の 風を身に受く冷たくて気持ちいい |
積年の虚無が時間を縮めたるや ベルクホーフの我が家は平和だ |
穴開けた肉と静かな海に潜る 無人の空無広くて愉し |
居場所が無いのは何処でも同じ |
ぶよぶよと熱を孕んだ水風船 嫌悪も溶けてバターと流れる |
お願いだ沈む朝日を戻してくれ 止まらぬ咳が絶望深める |
ぱんぱんに腫れた でろり流れる私の命 |
夕立ちを待ち焦がれたる輻射熱 埃の中に倒れる前に! |
膿み持った脳は白子の腸のごと 目を閉じた儘がぶりと |