しうっとりと濡れそぼる悪がんがんと
  頭痛で我を悩ますな莫迦



鬱勃と湧き上がる雲眺めても
  何の感銘も起きぬ停滞
    詰まった喉をゆっくると括る



熱っぽく悪寒這わせた膚の上
  冷たい雨が突き刺す 痛い



朦朧としてくる肩に蜘蛛が這う
  悍ましい夢見そうだ今日は



熱帯びた()を氷水に浸してみる
  膨れる(からだ )がはち切れそうだ



ごっそりと浚った記憶根こそぎに
  して退屈を紛らす能はず
    無駄に人格(あぶく )と消える



さんがりのねへむはふとゐどりもらむ
  ねこうりぱるどぺれむちょんちょん



さてもやはひねくり返る蝦蟇の王
  太った腹に(きん )がぎっしり



続々と集まって来る虚栄市
  潤む瞳は夏風邪の所為



嘘の様に消去 (デリート )したる一生を
  復せし機には誰ぞ喜ぶ
    深海底に積もるプランクトン



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