噴煙の中に印を求めたるか
  散文化したエンペドクレス



生存に存続の要認め得ず
  革のベルトで根本を縛る



弛緩する時間の中に漂ひて
  顔を失ふ出来事を踏む



涼風に不安気に揺れる山茶花 (さざんか )を見る

  醜い願望



ぐらぐらに揺れる小芥子 (こけし )の首をもぐ*
  戦慄 (わなな )きて指切断すそっと



おとろしき夜鷺の啼き声響く原
  つっとなぞれる真紅の藤花



ワナワナと蛆に塗れて掴む空
  ぎらつく汗の腐汁滴る



震える手霞む視界に捉えつつ
  狂う暑さに実と化せる午後



鈍重に詰まる脳髄に肉汁を
   流す惨めな青の複合体



塩を噴くくたびれ切った黒いシャツ
  着て陰滅を歌へり嘔吐






*「才宛(右側がちょっと違います」は川流のパソコンでは上手く変換出来ませんでした。スミマセン………。


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