船上に我等の絆儚くて
  サングラス越しに物憂い視線



失敗を繰り返す愚を繰り返す
  夜の海面不気味にうねり



有限者彼の言葉に偽りは
  なけれど所詮一瞬の城



真紅の手なすりつけるべき場所も無く
  彷徨う我に夜風蒸し暑く



尋常な退屈などにあらねども
  溢れ出す死に陽光眩しく



しんしんと星降る夜に池覗く
  映る微笑に倦怠深く



けたけたと嗤う芒が人知れず
  河原の砂利を迫害する夜



ささくれた茎を握りて痛み抜く
  無限延期された救済



昼下がり最も永い午後が来る
  系の一瞬忘失の空



無期限の新奇なものの繰り返し
  寄せては返す快楽の波



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