星雲に枯れた落ち葉の様な頬
  向けて静かに諦めた謎
    かさかさと砕けて消える



ぐだぐだに引き摺り廻す高揚を
  眠気が捏ねて吐き気を抑える
    そっと腹部に手を添えて嫌悪



興奮も陶酔も無き散文詩
  我に命ずる何者かの声



ざわめく足を必死に抑え
  風に乗りたがる翼を殺し
    遠くを見詰める(まなこ )を潰し
      耳を塞いで独り閉じ籠る
        この世は斯くも狭き檻なれば



進軍す飛行船の頼りなく
  風を捉へる小さな翼



じくじくと疼く無能は蛆に任せ
  ひたすら眠り貪れる我



明るい夜が透けてゆく
  何を喪失したるかのさえ
    判らぬ儘に薄くなる
  口に手を当て戦慄 (わなな )き黙る
    罪人の背に月光の雫



巨魁の根瘤ねじくれて
  水を吸う也髄の奥まで
    憎み足りずに拳震わせ
      背を向けるのみなのか我



真実の闇に潜める()の言葉
  抉り取られた躯無惨に



鋸で引いた(やしろ )二柱 (ふたばしら )
  鳥が落つつ糸を吐く橋



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