シルエット闇に紛れた血の色に
  こそりと動く手に虐殺の跡



火と燃ゆる質量持った宇宙の糧
  捕食者を待つ(いず )れ同一



わらわらと群れ千切りたる未知の力
  不可視領域設定不能



苔に酔う群生成物水を呑む
  秘かな企み或る一点を成す



朝顔の萎れた花に天潜る
  因果吸い込む固形の執念



龍玄の風に関はる白怨嗟
  ぐっと堪へて影の塊
    いざ連れ隠す鏡は無限に



薄影にやがて溶け行く想像力
  求道の炎凝っと止まりて



消え去るや何時か形を成したもの
  時は変化と思い知る朝



導ける稲妻厚く層を成し
  墓場と化せる言葉の溜池



ぼんやりと切れば血の出る梅の木を
  眺めて呻く一人の宴



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