草原に吹き渡る虚無寒々と
  流れた汗に頭痛で報いる



返礼に罵倒浴びせる赤と黒
  白の探求嘲笑う金



ずんぐりとした切り株に腰掛けて
  無償の愛について語らう



さっぱりとした潮風が憂鬱を
  高く広げる砂浜の雲



人の無い路面電車の線路行く
  死が素顔で眠りこける街



この世界哭して啼くか影の鳥
  南の空に架かる亡失



さやさやと並ぶが如く摘む光
  傷心の丘星美しく



二重にも三重にでも廻り道
  したる心を握り潰して
    黄身も啜らず吐溜に捨てる



ほろほろと遠い鴎に霧が呼ぶ
  白昼の闇引き裂く静寂 (しじま )



マニュアル化された心を持った猿
  ボタン押し押しエサを待つのみ



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