睨め付ける柳吹かれて嘲笑う
  何時かの(きず )は瘤になりけり



人に似た猿が喋くる戯言 (タワゴト )
  耳傾ける憂鬱な我



裂けた穴覆う鮭色の花の門
  どよめく狂気聞くのは我か



永劫を切り取った淵霧深く
  怨嗟と切求共に絡まる



肉を切る我等の種には如何ばかり
  残されたるや蛆虫の巣に



(くう )を裂く翼に骨はありやなしや
  光喪った天井に星



坂道を転がり落ちる捨て鉢の
  愉快に浸る冬ぞかなしき



ひしひしと膚に刺す魔を感じ取る
  冷たき夏に人気 (ひとけ )は無くて



厭はしいことに我等の飼い殺し
  見破りたるか給料の別



ずんずんと脈打つ彼の岩肌に
  マグマ流れる黄金 (こがね )を溶かす



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