発火した茜の想いずぶ濡れて 幻の虹架かって斃る 嗚呼迫り来る夕闇の 中に我等の悲願は有りや |
のっそりと首絞め上げるたんぽぽに 這い寄る闇は混沌に揺れ |
アンテナが呼べる未来は奇妙にも 過去の木霊か赦せ沈黙 |
地下室の隅に固まる暗闇の 間に立って懺悔した我 死んだ鼠がことりと崩れる |
我は 月よ急かすな死は道程だ |
自動車で虚空に架かる道を行く 白天馬と我二人の旅路 |
摩天楼見上げる先を降りて来る 雨のカーテン無言の抗議 |
苔むした巌流るる白清水 薄い深みに奥津城揺れて |
悠然と急ぐ汽船に白波の 砕けて消ゆる疎隔噛み締め |
わんわんと叫ぶ赤子の片手首 捻って捨てるうんと呪って |