切り替はる層に耐へ兼ね両眼を
  抉り出したくなって悪いか



伸び悩む若芽茂れる枯園に
  蝶が飛ぶ飛ぶ嘲弄撒き散る



飛び散るや脳漿と汗混じり合う
  彼方の星の性の残照



ずきずきと疼く痛みは何階の
  幽霊見たりさらば言えずに



風匂う雨の予感に凍え立つ
  冷えた戦慄ほぐして迎える



(ぼう )の儘暇に飽かせて研ぐ鉈を
  首筋に当て明日は御彼岸



捻れ込む想いに飽いてチョコレート
  むしゃむしゃ食べる脱力の夕



夕闇にがらんと啼ける枯れ(ススキ )
  腐る卵は海を渡るか



ぼんやりと滲む目線のその先は
  誰の自伝か暴れる言葉



飛ばされた紙切れの舞う暗天に
  言葉消え行く儚き我等



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