何時から界面溢れ注ぎ込む
  器の中に我の空白



痛みには貫き通せぬ深海を
  ベテルギウスに爽やかな死を



茫とした夜風の煙る川縁に
  砕けた心結晶となり



不可能が呼び込む無限延期にも
  似たる身体 (カラダ )で少女が飛べり
    触れる手前で留まれと命ぜり



月蝕の如く隠るる靄の(まる )
  狼に成ることを阻むや



胸元の不快を煽る蝉時雨
  無情な変化を彼等の上に



停止せる回転の芯消えゆくか
  夢魔も終わりてひたすらに虚し



移ろへる青春無駄に輝きて
  「現在 (いま )」を偽る永久の不在



食い違う視線の失意受け容れて
  私の中の君は元気だ



改革も一個の心と化せる罠
  されどこの手で鋸を離さず



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