接近す圧迫形成し始め
  決意促す瓦礫の中に



頽廃と不可避の脅威軽やかに
  ワルツを踊る靴音高く
    生きた狂笑うっすらと咲く



見上げれば天覆う虚無顔覗く
  遠い余韻が広がれる地平………



影が行く白黒逆に海岸に
  波の濯へる私の抜殻



あの窓に私が居るのだ雨が降る
  予感孕みて空が蠢く



径を行く歌を歌へる学童が
  蜻蛉の羽を毟りたる叙情



爆弾を抱へた儘で歩く夜
  水鳥の羽猫が食ひたり



げんなりと齧る慕情が山の端に
  沈む(ススキ )は揺れたるか何に



水の匂い濡れた砂利道よろめきて
  彷徨ふ先に水量増して



日が差して彼岸の縁を望み見る
  我は結局境の住人



inserted by FC2 system