堕眠より這い出て来たる豚共奴
  殺せぬとあらばせめて避けたい



蹂躙に数を数へる林檎の実
  振り向いて見る黒髪の醜悪



石投げて逃るる国に蛇が居り
  馬鹿馬鹿しくて互いに笑へり



顎の骨砕いて舌を引き抜いて
  まだ食べたいか
  まだ食べたいか



貴方には死んだ美の儘でいて欲しかった
  逆転したる後悔の順番



失望に胃の腑捩れる不快な夜
  ケタケタ笑う背骨も折れよと



俊足の時間に髪を掴まれて
  パンドラの嘘思い知る愚よ
    我待ちたるか大口開けて!



煮沸した怒りこの手に沈めつつ
  暁前を歩くリズムが脈打つ



霧煙るビルの林立する虚栄
  爪の喰い込む手の平に花



無限夢見る有限の
  精神に尚固執する
    円の循環閉じぬと云ふに



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