凍えた怯えに退屈を
  嫌悪差し伸べもう沢山だ!
    着色したる眼下の虚像



枯れた野草に雨水垂らし
  老いた文盲にユークリッド
    手遅れ過ぎて徒花にもならぬ



人込みに紛れて消ゆる詩想未満
  人間は邪魔だ何処かへ消えろ



風が止む昇る熱気に水澱む
  翼圧迫したる真夏日



要塞と化した世代に背を向けて
  カネ荒れ狂う日の我等往く



(かね )の精に骨の随まで冒された
  小農民の父にうんざり
    して吐き出した真っ赤な指輪
      偽善の熱で ガンガン ゴンゴン



ひたすらに吐き気催す肉の人



我等には思想切り売りして稼いだ
  下劣な金の無いのが誇り
    されど財布はすっからかんよ



拡散す熱量の圧ぐだぐだと
  延べて広がる小さな殺意



鬱々と無性に明るい曇天が
  這い出たる夏雨を待ち焦がれる



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