渇望に添えた両手に力無く 転がった儘のバラバラゾンビ |
しばしばと開けた片目に飛び込んだ 不明の光掴まへて呑む 暫し微睡む惨めな眠り |
望見す沈む地平に浮き出たる 記憶の残像黒くいびつに |
傲岸の手を伸ばしたる生命に 何が特権なのかと問へる 只の宇宙を呑み込む宇宙 |
万有に線引きしたる愚か者 魂の底覗いて驚け |
狂燥の風に飛ばさる蛾が一匹 ふっと消え去るそも無きごとく |
顳かみ*の眼鏡の跡を擦りたり 確かに在った様な証拠を |
結節を解いてみても所詮まだ 有限の枷我を縛れり |
「我々」と呼べる程の存在は 果たしておるや巨大な断絶 |
破戒の跡を滴らす 拳握って笑いたり 世界の歓喜この身に集めよ |