ぎしぎしと揺れる枝には椋一羽 赤い閃光臓腑を貫く |
筆冴えるお次は誰を殺す番 明るい夜空に憂鬱が吠える |
月隠す食い荒らされた様な雲 何が蹂躙したるか赤よ |
輪郭にその身捧げて溶け込んだ バターの月にどろどろと夜 |
挫折した指導原理を絵に描いた 様な人格獣嗤うか |
濃紺の闇に紛れて欠落が 形現はす無性に悔しい |
塵涯に凍れる街の記憶もて かの赤い星凶々しく在り 連星爆発する白い踊り |
原点に戻りて焦点結び直す ことも叶はず遠く来た我 |
重力の肉引き裂いて引いた線 逃げた光を追い駆けて喰う |
実効は回復不能な嚢もて 夜慰むる無聊の頭脳 ペン持たぬ手に尊厳は無く |