延焼を怖れずに尚焼き尽くす
  傾く木々と潮風のキス



監獄で発熱したる囚人と
  我は成れるか汗が抜け出る



寝苦しい(とこ )の上には本の山
  消化するにも余りに多い



出て来たる消化不良のエセ土竜
  何時か巨脈にしてやるからに



翼付け人を乗せたるミサイルが
  空を切り裂く無人の地平



白々と明ける地平に雪が降る
  聖なるものが生まれて消える



傲岸に朗と轟くホルンの音
  (いかづち )鳴って死屍は累々



砂浜に乾いた熱い風が吹く
  無数の知性を呑み込んで静か



ズタズタに裂いて破った薄衣の
  空しき文字を凝っと眺める



荒れ狂う舞踏の海に剣もて
  溺れた(かいな )掴んだ血潮



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