裏切りで寧ろ強度を増した我
  魅入り残った芯の瘡蓋



外は雨何処まで行けど振り頻る
  冷たき水に閉じ込められて
    この世界に独り

      ひとり



薄明の永遠続くしとしとと………



誤魔化した空腹がまた主張する
  じくじくと溶ける空疎な理念………



氷原を何処までも行く二人切り
  一千億の星の輝き



温かい御飯のつやを思い出す
  最高に美味しい素握りのことを



単純な 単純な 単純な
  単純な生を送りたいと希ふ
    単純な美を崇めたいと希ふ
      単純な幸福を味わひたいと希ふ

  なのにどうして!!!



猫の目玉を親指の
  腹で潰して噛み付かる
    何と小さな頭蓋の感触!



水も無く閉じ込められた船倉は
  揺り籠のごとあやせり我を



ぐしょぐしょに濡れた日記を捲る手に
  苛立ちが出る太い血管



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