極楽鳥の嘴に
  穴開けて継ぐ鎖一本
    手にした端には我の罪状



脳髄を抽き出して吸う脳漿を
  ずずいと啜る赤児のごとくに



風の中に消えた宇宙を探し行く
  彼等の世界が無数に重なる



絶望的なまでに織り合う
  プリズムひとつ胸に抱き
    世界を照らす照明を思う
      小さなこの手握りたる星



一瞬で形崩した意味のレベル
  それでも世界はまだ生きている



床に広がる染みがまだ
  私の悪夢に繰り返す
    私が殺した美し思い出



凝っとしてランプの芯をもっと出す
  広がる光に影が広がる



ゾクゾクと麗かな午後お茶を飲む
  近付く闇に向かい合わず座る



口衝いて出る不明なる文節に
  流れ任せて眠りを眠る
    白痴の喋る台詞ならば同じ



森間に幾世紀経た死骸無く
  白の沼には(あぶく )立つのみ



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