退屈の元凶となる既知感を
  手懐けたくてアイス食う
    この官能は何にも(まさ )って



渋滞を引き起こしたる「堅実」な
  日々に入ったヒビ割れ火で焼く



ガラガラと小さな音立て崩れ落つ
  あちらの角はまだ有形か



危機なればこそ生まれ来る言葉有
  我はそうして生きて来たのだ



じっとりと汗ばむ空に倦怠が
  狂おしく咲く我も我もと



何処からか木霊して来る人の声
  夜よ彼等はお前のものか



深々 (しんしん )と育ちつつある苔の地に
  我が身横たう

    「私が殺した訳じゃない!」



焼け損ね更に悲惨な飢餓の(とこ )
  浄化出来るは暴力のみか



安物のきつい香水振り撒いて
  通る女の足許に蛇
    所詮穢れと聖は一体



振動が大地を壊す捻くれた
  力放たれ我を(いざな )
    共に火口の底へ底へ!



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