一介の呪物崇拝鳩尾で
  足蹴にしたる彼は狂へり



叢雲 (むらくも )の中より時に明晰な
  言葉の出づる瞬間を待つ



ひっそりと人目忍んで幾世紀
  見送る汽車は遠くなりける



道端に立ち尽くし独り衝撃に
  歪む世界に捩じ曲げられる
    裂け目が出来る直前の数瞬



刻々と迫る期日を前にして
  笑う気力も無く戦けり
    為すべきことが多過ぎて無力



我を成す肉の塊掴み取り
  信じられない星の連なり



burstに笑いを乗せて開けてみる
  残骸と化した無残な感情



ボロボロの経路辿って出るねじれ
  仕方無いのでひとつに纏める
    その内それしか出来なくなる



笑顔を強いる暴力の
  君臨したる虚栄の市
    腐り沈澱するも叶はず



氷の月が白く輝き
  タールをべとり塗った空
    億年の距離は目隠しされて



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