歓声とも断末魔ともつかぬ声
  風に紛れる無人の衛星



獣共の饗宴が
  日がな一日続く日々
    残飯漁って図書館に通う



敵中に取り残された様な日々
  明日は正気になれるだろうか



雪中で縮む素肌が火照りたり
  痛み嬉しく思へる今日は



乾涸びたマトンの如く固い脳
  あれらの人生に意味なぞあるのか



つらら落つ雪に刺さって見えなくなる
  形隔てた氷と氷



一千の星なぞ取るに足らぬ天
  (まなこ )もて見る私の眼を



聖獣の如き金髪棚引かせ
  無垢と力の化身が通る
    見よ 見よ 見よ!
      目隠しが目を覆うぞ!



枯れ葉散る山に分け入る真珠採り
  落とした夢を探して歩く



熱風に形溶かして透かし見る
  思考動いた彼の地の夏を



inserted by FC2 system