延々と延びる憎悪に火を点けて
  一気に濃縮させてやりたし



滾々と湧き出づる悪棒状の
  結晶繋がり城を造れり



堂々とした形持つ影の幹
  庇う内部は肉のごとくに



衰えに卵の殻をそっと載せ
  静かな恐怖耳に囁く



残酷な歓楽本に押し込んで
  切り刻みたる卒塔婆のダンス



(くずお )れた芯に膝着き呆然と
  裸身横たう蛤の隣



血塗れの男が何か呟ける
  夏も麗な墓園の出口



航跡に言い得ぬ後悔流し落つ
  何処まで経っても消えぬ煩悶



甲板であの時我が手放した
  嫉妬は今や何処 (いずこ )にも無く



側に隠す炎が燻って
  焦げる痛みが実に快感
    ぐいと絞めろ
    ぐいと絞めろ



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