反響が大きく判らぬバッハの 背景雑音と化す祈りの声 |
彼方より劫初の言葉語りカクル 私の記憶に気付いてくれと |
横たわる脚に大釘打ち込んで もう立たぬよう糸で縛れり 血を吸ってさぞ気分が良かろう |
風に酔い両手広げて黙した夜 種が爆発して我死ねり |
土砂降りの白い館に吹く風は 未練囲んで破れ窓撫でる |
マニュアルと化した人格飽きたれど 此方の恋が絵空事也 |
亀裂の入った大地の彼方 妖しく踊る矮人の 足許に伏す石版の 読む人無くて誰ぞ悲しき |
気温と共に干上がれる リズム崩して彷徨へど 頭上のヘリが中絶を叫べり |
成文化した情報に固執して 間違った道引き返せぬ我 |
籠を捻じ切り飛び立った 小鳥の喉に声は無し 慌ただしき日に寝坊を忘れる |