湾内の二束三文の海藻に
  絡まる石が波を転がす



この海にマッハの原理を適用し
  体浮かせる天地無くなる



疑いを抱き赤光を見据えたり
  奸計の無き山の端消ゆる



夕方を過る赤十字の印
  罵詈雑言は誰の為なり



大口を開けてウスノロ荒野にて
  拒否のし切れぬ魔術使へり
    売春宿の様な中毒



脳味噌がピンクの色に染まる日は
  生肉食べて生血を啜る



硬質の曲線舐めて仕方なし
  プラスチックによく似合うかも



湿気た大気にレールの音が
  幾重重ねて谺する
    何か忘れて来た様な
      不安が頭上にずんと広がる



我等の手ふたつ重ねて透かし見る
  やはり違っているのか友よ………



ざわめきに肩を(いだ )きて思い出す
  何時か未来の魚の約束



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