選択で成り立っていたあの日々の
  悪夢懐かしまだ恐ろし



無防備に焦げ目晒した白い目の
  腹裂いて食う骨までしゃぶる



ざくざくと氷踏み付け血を止める
  杭を引き抜く力任せに



塵芥の海が広がる人工の
  島に大きな断サイクル
    驚く勿れ住む人ありぞ



匿名と化せる性的肉体を
  誇示する脆いひとつの絆



ジャンパーに手を突っ込んで寒空を
  歩く我等に言葉はなくて



薄衣を纏う彼女の曲線は
  私のものか肌触れてみる



独立した親指を持つ無精卵
  脅迫と慈愛胸が痛いよ



ひっそりと灯る街灯薄闇の
  遠いチャイムの音に悲しく



傘握り飛沫 (しぶき )を上げる光景に
  顔上げて唯濡れるに任せり
    気懈い陶酔身を引き裂けり



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