涸渇した泉に片手差し伸べて
  おろおろと唯膝を突くのみ



重なるる過去に卵を割った君
  出来たジオラマ誇らしく映ゆ



跳ね回る破壊愉快に手を取って
  残った人類が貢ぎ物する



灰の青隠し切れない茜の翼
  空いっぱいに広げ飛び立つ



しの(さめ )に濡れる路面に立ち尽くし
  黒い塔見上げずに呆然



露曇る山に纏わりつく大気
  剥げた肌這いひとつを(くる )



夜ひとり本屋に通う愉しさよ
  何が胚胎したるかそこに



閉ざさるる空に不敵に笑いかけ
  本を抱えて小道を急ぐ



憎らしい蝦蟇追い立てて奮い立つ
  淀んだ池に鼻息荒く



OPACの後駆け回り片付ける
  秘儀は完成したるか我よ



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