凝固した漠たる水の皮膜もて 蛋白質の泡掻き混ぜる 粘土解かして形こさえる |
暖かな陽に包まれて頭垂る 地平線這う雲遙かに |
騒音の中に埋もれた騒音は 無いも同じかシャーベットを飲む |
鋸で挽いた背骨をテーブルに 熱いガラスが視界歪める |
ちびちびと捲る頁の如何にも遠く 何時か挿んだ枯れ葉一枚 |
遺された校舎のガラスひっそりと わぁんと静寂賑やかに打つ |
潮風の止んだ夏の日明るくて 滲む血の玉甘苦く舐める |
首輪こそ無けれど籠に繋がるる 隣の囚人まだ生きてるか |
若くして命喪う味覚え ペットショップへ通いたる我 |
不浄には非情な制裁加えても 首を吊るのは躊躇はるかね |