嵐の山に立つ我と
  頭上垂れ込む黄色い瞳
    互いの背後で対峙して動かず



流さるる水に匹敵する量の
  進化の潜在力を測れり



一律に禁止されたる羽搏きを
  地下室の中何度でもやる



捻り切る飴の御得にすやすやと
  眠る嬰児の頭掴んで



日も暮れて家路も遠くなりにけり
  (そもそも家路があればの話)



潰したる虫の体液弾き飛ぶ
  同情呼ばぬ程の大きさ



無為に過ぐ時の補填をしたれども
  明日 (あした )は箱の底に沈める



万難を排し落雷身に喚べり
  濡れた草原幾つも割れる



グラグラとブレ始めたる視界には
  真ッ黄色な花一輪咲ける



繋がるる彼方と彼方のその先の
  見逃したるは何の地平ぞ



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