遠き日の不完全さを思い出す 空を覆うのは煙か雲か |
死に近い生の横溢が懐かしいか 大雨が吹いてネオンが輝く |
空き瓶を片手に持ってズブ濡れの 道を歩ける霧が深まる |
けばけばしネオンが勝鬨上げる晩 絞め殺された大気が満ちる |
憤怒もて空を見上げたあの少年 同じ時空を疑う理由 |
大滴掌で受け顧みる 美しいもの見たのは何時か |
切り株の様に黙して眠り込む 青く広がる病んだ球体 |
安心も希望もカネで買う時代 そうでない人やっぱり貧乏 |
吹き零る蟻塚箸で突いてみる 呆気なくガラガラと崩れる |
ナイフもて優しい星の砂浜に 闇突き立てる顔を俯せ |