谺する鳥の啼き声鉄塔に
  満ち禍々しい朝が明け行く



剥げ落ちた化石ハンマで確かめる
  生の証は顕微鏡の下



ふつふつと時を味方に着ける雨
  頁捲りて無言で(こら )える



肌熱い売女機縁に訪れる
  聖女の影は余りに眩し



ぼやけて見える建物の
  彼方に見ゆる赤い緋の
    空を侵蝕してゆくを魅る



ささやかな二重三重の生活に
  微かに嗤う声が響けり



冗談の様に小さなビルの中
  それこそつまらぬ営みに満つ



あの腕で虚栄の塔を造りしや
  頂回る無骨な力



一概に指弾したれる弊害に
  無辜の罪人見苦しく踊る



各々のその本分に従って
  醜態晒す栄光の人



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