研究室で夢魔に襲はる秋の午後
  恐怖が我を放さずに跳ねる
    忘れた世界がエネルギーを奪う



風速が百五十米を超える谷
  過去の伝言が開封出来ない



逆風にペンを一本持って立つ
  群がる手が裾を引っ張る



流さるる演説の声遠く聞く
  問題は何時もひとつカネ也



彼はもう解脱したるや窓際の
  プラトン主義者の麗しい世界へ



一致見ず解散したる集会の
  残りは何か溜まるだろうか



今日もまた頭痛抱えて毒吐こう
  だけどお次は何に対して?



霧の朝散文的なる蒸し暑さ
  不首尾の散歩に苛ついて食う



プリズムを薄く重ねて透かし見る
  蜃気楼なる世界の断面



白い沼白い彫刻もて臨む
  秘密の祭祀は列席者無し



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