静寂 (しじま )裂き説教の音霧に満つ
  二輪馬車駆る死が迎えに来る



断崖に居残れる我風を待つ
  波が砕けて散って毀れて



陰影の濃い影にハッと顔を上げ
  一瞬の形目に焼き付ける



航跡に捻れる想い投げ捨てる
  隔たる距離がなければならぬ!



紛れ込んでしまった世界でおろおろと
  ひっそりと生く触れてくれるな



我が波長揃いたるや()の人の
  放つ光の反射した影と



熱波にて大量催眠するアスファルト
  白いソックスが陽炎に鳴く



春なのでメイティングする猿共の
  歩く舗道を図書館へ急ぐ



新緑の風が運べる生首の
  転がる今日も変はりはないか



道行けば青い遠来呆然と
  嫌悪を込めて振り返らずに



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