整然とした思考分解する熱気
  一抹の風何処にも往かれず



腹の辺りに蟠る
  湿気押さえて蹲る
    躰が腐り崩れる実感



高らかに凱歌を上げる烏共
  散らさるる菊我等を訴追



偲ばるる理解の陰に距離を見る
  所詮人間不能の私



みなの死に絶えた日に不寝番
  遠く青い火動かずに見る



舌をもて背骨刈り込む女有
  眼鏡外して高らかに笑う



白黒の川の向こうの哄笑の
  フロックコートの男に目を付けて
    拳振り上げ怒鳴って静か



海に花ぐるりと回る大氷塊
  違う速度で陽を睥睨す



花籠の為に斬首されたる花
  色とりどりの死に顔晒す



強酸を撒き散らすあのscarlet
  誰か狂った陶酔を覚ませ



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