新宿 (あらやど )に泊まれる無宿者ひとり
  窓を開けば一面の壁



歯軋りをして深海の黒い海
  手付かずのままの大地の記憶



過去の死骸を掘り起こし
  天まで高く火を燃やせ
    やがて彼女が最後には
      全て一掃してくれるだろうさ!



禁じ手を絡め不在の相手聞き
  本質ならぬ抜け殻を知る



精進の度合いを種にて測る僧
  我と人食へ食物連鎖



地べたより光芒伸びて独り言
  ここにいるぞと執拗に繰る



蜂の巣の如く並べる窓の群れ
  虫ケラ共がウヨウヨと出入る



決定的な一撃を
  私と世界の間に加え
    もう永久にオサラバしよう
     馬鹿げた芝居小屋から出よう



幹に蜘蛛群がる黄色磨り潰し
  下手にとぼけて絞首台に登ろう



赤くなる皮膚の点々舌で舐め
  踊る天球の進行を見守る



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