鬱血と痣に塗れるまだら空 蛆の啼き声ビル街に響く |
目の前の別の世界に思い馳す キャパシティ−なき神経ネット |
全身に突風を浴び思案する 飛び降りるにはまだまだ弱い |
仄白む緑水晶の鍾乳洞 私の名前を教えておくれ |
憑かれたる歩行が運ぶ脳髄を 疲れた足で正気を保つ |
腹這いでanima mundiを感じ取る 溶けずに残る皮膚を隔てて |
狼の吠える城門に背を向けて 蜜柑の皮を剥いては捨てる |
窓開くさも可笑しそうに笑ってみる 汚穢の(2字判読不能)指先に詰まる |
氷る空強い太陽溶け出して 見渡すばかりの白の溶鉱炉 |
切り刻む枝葉燃やして天高く 乾いた空に亀裂刻める |