小熊座に視線を定め寝転んで
  回る天球の余りに遠い火



青い火の零下十度の列柱を
  胸に(いだ )けり戦き泣きて
    天輪の針は破滅を指せり
      大いなる変転の(ことはり )を宣せり



さて我も星の踊りに参加して
  歓びに満ちた歌を歌おう



影に見る異形の瞳動き出し
  月へ行こふとして焦りたり



身の証し立てむとすれど言葉なく
  白痴のやうに譫言を繰る
    げに虚しやな風の()
      宙に消え散る跡も残さず



目を覚まし鏡の中を凝っと見る
  まだ発狂していない朝



無言の空に蜷局巻く
  multitudeの怨念に
    力無き手を伸ばせど空し



口の端苦き嘲笑引き攣らせ
  海に注げる汚水縁を行く



かじかむ手鬱血したる塊を
  砕きて殴る無明の空間



今はもう三千世界に隠れなく
  恥を晒して玄の乳吸う



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