薄桃の捲れた傷に塩を塗り
  身ぬち震わし放吟する夜



身を正し秩序が頭満たす時
 信じられなくなる我が汚穢



目の前の済度し難い衆生 (しゅうじょう )
  明日を託すことなぞ出来るか



空静かに沈澱したる昼下がり
  何ぞ寝床の空隙を喰う



ジャーゴンの集い踊れる定刊誌
  人類の叡智ここに(きは )まり?



厳かに非在の幕が両側に引かれ
  初めから黄昏れたる球が姿を顕わし
    壊れた顔をした天使達が
      群集共に向かって叫ぶ
        「重なりて在れ!
         重なりて在れ!」
           洞窟に漲る悔悟の予感———!



紫の薫香が書斎に満ち
  欠けた髑髏が静かに嗤う
    荘厳なる調和がぱりんと割れて
      私の胸に破片が刺さる



瞑黙して哭かぬ女
  あり得どもある筈無



無人島にて食物を
  見付けたり嬉しやな
    恵みを神に感謝する我

———全てがざっとこんな具合か!



「計画は常に秘かに進行せり」
  無期限延期で伸ばさるる
    大いなる手をぺしんと払う



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