ぼんやりと赤く広がる発光体
  尺度の異なる激しい流れ



永劫を閲して遂に巡り会う
  鏡の裏を今夜夢見る



目の前で無言の劇を続けたる
  誰も見上げぬ巨大なパノラマ



頭痛抱えチェダーチーズを一齧り
  暗く澱んだ狂燥を呑む



複雑系論理記号で埋め尽くし
  最後にハッと気が付く破綻



騒音が瞬間消える夜間灯
  永劫の如く赤く瞬く



図書館を出でてベンチで猫を載せ
  昼寝で頭解したる午後



進歩して変わり果てたる学び舎の
  ベンチに腰掛け少し寂しい



学食で一異邦人と化せる午後
  象牙の塔は(せは )しく回れり



古き日の倦怠想う脇腹の
  抉れた猫は元気だろうか



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