星々の華燭の典を祝いつつ
  末期の水を飲み干せる夜



静かなるエンジンかけてvoid行く
  螺旋を描く断層遙かに



幻視者の死んだ瞳に映る星空
  無限を湛えて沈黙を続ける



生命の欠如したる風景に
  結晶静かに成長しつつ



ひっそりと燃える星団前に見て
  静かに旅路行く幾万年



深くなる黯黒を唯凝視して
  夢見つつ今世界を飛べり



山の向こうの微かなる
  鐘の音を聞くカラカラに
    乾いた大気剥がれ落ちたる



日輪の特定出来ぬ白空 (びゃっくう )
  輝けるに気を失って墜つ



声のせぬ密林を行く一面の
  苔が意識の口を塞ぐ



蒸し暑い夜明けの海に舟を漕ぐ
  人だったものゆらり揺れたり



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