霧ヶ峰轟き亘る断末魔
  蜃気楼の城に過去と未来と



茄子もいで切り込み入れて舌を出す
  甲高い声で(むくろ )が嗤う



禁忌なる仮面外して覗き込む
  悍ましきこと知らぬ日の過ち



忘れらる歌墓碑もなく悲しくて
  彼を歌った歌を歌へる



沿岸に凍みる沿岸に凍みる(みぞれ )を拾いつつ
  形留めぬものかはと嘆く



噴煙の中に光れる黄金色 (こがねいろ )
  疼く赤裂映えて脈打つ



微睡みに消えゆく影に手を伸ばし
  掴まんとして躓きよろめく



内奥の栄光放つ輝ける
  その眩しさに誰も気付かず
    扉を開けて書斎に入る



薄れゆく虹の門まで駆けて行く
  焦点定め何処までも何処までも



澱んで溜まり腐りゆく
  思考を力なく混ぜて
    自家発電を試みる
      泥の中から鰻が一匹



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