雲海に『ツァラトゥストラ』は響かねど
  確実に今何かが生まれる



寝床の中で顔を覆える
  わっと叫びたくなる煩悶
    凝っと堪える窒息に耐える
      眠りが今日を誤魔化すまで



サングラス越しに薄闇となる昼
  眩し過ぎるわ私の目には



泣くやうに啼ける烏が夕焼けを
  背にして我を()め付けて責む



凶々 (まがまが )し溶けた炉心の黒い影
  人の形を最早留めず



鋏もて耳たぶを切るばちんじょきん
  赤い血が出る痛みが巡る



己が持つ唯ひとつの武器言葉にて
  人類の愚昧を吹き散らしてやりたい



涸渇せる言葉を待って立ち尽くす
  白紙の儘の空虚な自分



海に行く波止場の縁で近付けぬ
  波に漂う空き瓶に唸る



ゾッとする様な肉体から目を逸らし
  服を着てみる(隠蔽不可能)



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