ああ落雷にひび割れた
  大地の奥を覗き込み
    更なる生命 (いのち )形態 (かたち )を思ふ
      望まるるや!
      望まるるや!



憂愁に肩を落として仰ぎ見る
  ()だ見ぬ遠き日の思い出を



一閃 (フラッシュ )に束の間浮かぶその顔の
  残照我を尚苦しめり



顔上げれば直ぐそこに無限今日もまた
  驚異と悪夢共に踊れり



猫を喰うユール・タイドのその夜に
  片目潰れた黒猫を喰う



天が往く動く地球の表皮蠢く
  我辺境の点となりけり



生存は多様と謂えども人として
  (のぞ )む生態の形もあれば



今日もまた薄気味悪く紫に
  染まる天嗅ぎどぶ川を行く



厭へども消化器官は主張する
  己は肉体超えられぬものと



無理矢理に広げられたる星穴二つ
  指を突っ込み裂けるまで引く



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