アーク灯鋸持ってかち割るる
  仮面被った焦った男



濁水を溜めて滴る雨樋を
  いっそ剥がして流してやりたい



うだる日の暑さ忍べず喉を切る
  古本探しもう六時間



ミニチュアの如き街並見下ろせど
  ひっくり返せぬこのもどかしさ



己が身を切り崩して行くlustrum
  身ぬちを蝕む倦怠知れども



祝日にイチゴシェイクを飲み干して
  重い躯で日銭を稼ぐ



爆風にタイヤころころ転がって
  回り続ける進むがごとくに



青空を背に堂々と聳え立つ
  大病院の黒い棟々



問診で車両点検する運転手
  ハンマ隠して見逃す亀裂



水たまり重い躰を投げ出して
  呻吟してみる雲と青空



inserted by FC2 system