濁り目で涎を垂らし"formosissima!"
 下卑た法悦千切って捨てろ



固まるる現実の網解きほぐし
  また編み直すもっと広く深く



力抜き眩暈に倒れるその瞬間
  世界がめくれまた直ぐに澄まし込む



棘抜いてぷくりと滲む血の玉を
  ぺろりと舐める遊星呑み込む



飛行機で超大国へのラヴコール
  みんなで行こう彼等が儲かる



黒々と磨き抜いたる砲身を
  谷に蹴落とす全装填して



操舵士の酔えるが如き風向計
  何処にも飛ばず何処にも進まず



赤んぼの様な奇声を上げ止まる
  バスの後ろに野良のボロ死骸



線路の上に蜜柑置き
  線香挿して言い訳ひとつ
    これで惨事が起これば愉し



歯を鳴らし星降るを待つ海の夜
  颱風の目は意外と大きい



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